本論文は、建築家アントニ・ガウディと美学者ミラ・イ・フンタナルスの関係について扱ったものである。史上初のガウディに関する伝記を著したラフルスは『ガウディ』(1928年)の中で、ガウディが『日記装飾論』を記していた時期に「ミラの美学における弟子であった」ことを述べている。論者らは、最終的にマヌエル・ミラの美学の思想と、ガウディの建築の考え方の形成過程における『日記装飾論』や晩年の言葉との比較を試みることを通して、マヌエル・ミラがガウディに与えた建築的思想の一端を明らかにしたい、と考える。そのためにミラとガウ