音声は目に見えないため訓練が難しい。聴覚障害等により音声障害を持つ児童が発声訓練を行う際に,楽しく分かりやすく発声訓練を行えるツールの開発を目指している。発声では,まず呼気を継続的に吐き続ける能力と,次にその呼気によって声帯励振を継続的に行い,さらに声道において明瞭な音韻を調音し続ける能力が発揮されるべきである。そして,最初の呼気が十分に制御できるかが後続の各プロセスがうまく働くか否かを支配する。本報告ではロングトーンの訓練をゲーミフィケーションにより促進する訓練ツールを提案し,その有効性を確認する実験の結果を報告する。