近年、金属を含んでいない物質で金属光沢が起こることが注目されている。伝統的手法で紅花から抽出された天然色素(カルサミンFig.1)は、塗布、乾燥することで緑色の金属光沢になることが知られている。この紅から生じる特徴的な金属光沢を持つ緑色に関しては、純度が高い赤い色素ゆえに赤い光を吸収してしまい、反対色である緑色の輝きを放つため、玉虫色(緑色)に見えるとされているが、科学・工学的にはいくつかの疑問が存在する。本研究ではこの色調が構造色によるものなのか、呈色機構を反射光や偏光を測定することにより検討した。