都市域において拡散物質の予測は検証の方法が難しく,まだ十分な検証データが得られている状況にはなく,風洞実験や数値流体解析が広く応用されていないのが実情と考えられる。本研究では,神奈川県厚木市の東京工芸大学厚木キャンパスおよびグラウンドを対象に,野外拡散実験を行い濃度および風速を測定した。実測した2日間は晴天で,風向も南寄りで安定していた。風向方向に濃度が高い地点が見られキャンパス内にガスが拡散していることや,上空風が安定していてもキャンパス内の地上レベルでは複雑な流れが生じていることが分かった。また,10