本研究の目的は風洞実験による都市域の汚染物質濃度予測の精度を、野外拡散実験結果との比較により明らかにすること、そして拡散風洞実験におけるレイノルズ数とトレーサーガス排出量が無次元濃度に影響を及ぼさないことすなわち相似則を確認することである。 今回、東京工芸大学厚木キャンパスにおいて、野外拡散実験とそれに対応する風洞実験を行った。その結果、排出地点から離れた測定点の無次元濃度はトレーサーガス排出量と基準風速にあまり依存しない結果となった。しかし排出地点に近い測定点では、排出量によって無次元濃度が大きく変化し