画家は自身の目で見たモノを独自の感性によって絵画として表現する。それは言葉で説明できるものではなく、画家が探求してきたユニークな感性が反映されている。本作品は、ディープラーニングという人工知能の手法を用いて、カメラから入力される映像を個性あふれる多様なアーティストの画風で描画するインタラクティブな絵画である。鑑賞者が様々な動作をすると、リアルタイムに絵画風に表現された映像となり、鏡のようにディスプレイパネルに写し出される。この画風変換は、物体認識を学習した畳み込みニューラルネットワークによって実現される。過去に画家が描いた絵画をスタイル画像とし、カメラから入力された映像がリアルタイムにスタイル画像の画風で描画される。生成された画像は色彩感だけでなく、細かい空間パターンまで画家の画風で表現されている。学習に使用した作品は、古代のエジプトの壁画をはじめとして、ダビンチ、ゴッホ、ルノワール、ムンク、ピカソ、マチス、モンドリアン、写楽、北斎などである。鑑賞者はカメラの前で様々なポーズをとり、絵画風に描かれる自分の姿を楽しむことができる。