本研究グループは平成28年度の同センター共同研究を通し、ウランバートル市のゲル地区に固有の空間構造を明らかにした。そこでの知見を踏まえ、本年度は、同地区居住に関する制度・心理構造の知見を加えることで、都市環境問題の解決に資する提案を導くことを目的とする。
市場経済化後のモンゴルでは、体制崩壊後の社会システムの変容に起因する環境問題が深刻化している。とりわけ市街地周辺部に広がるゲル地区の家庭から排出される煤煙を要因とする大気汚染や土壌汚染の問題は深刻である。同市はゲル地区を外部の過渡的な存在ととらえ、大規