ゲル地区の住まいは、モンゴルの伝統的居住の形態を保存する一方で、社会主義体制下の都市建設、市場経済化後の社会変化や土地私有化政策によって大きく変容している。本研究ではモンゴルの伝統的住まいと近代的都市居住が混淆するゲル地区の特徴に注目した。具体的には、(1)「ゲル地区の歴史的変遷」をテーマとして、清朝時代及び社会主義時代の住民管理、ゲル地区の地理的拡大の研究、(2)「民主化以後のゲル地区」をテーマとして、ゲル及び固定家屋における住まい方、ゲル地区の近隣関係、ウランバートルの住宅政策の研究を研究分担者と共同で実施した。東北大学東北アジア研究センターにて共同研究シンポジウムを開催し、共同研究の成果を発表した。