「映像のフィールドワーク展 20世紀の映像百科事典をひらく」への招待出品。
Diverse and Universal Cameraは、エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ(以下EC)内の約300タイトルの映像を、踊る・笑う・回るなどの行動様式に関連するキーワードによって検索した際に、その結果がコラージュのようにループ再生する映像インスタレーションである。毎回映像の組み合わせが変わるので、時代や地域が異なる様々な映像の繋がりや差異を観察することが可能になる。ECの百科事典としての特性を再解釈し視覚化した作品だが、従来の紙の百科事典が可能とする偶然の出会いと、関連性を重視した現代のインターネット検索による知識の広がりの双方を可能にする媒体を目指した。
各国の自国優先主義や移民問題を見ても、現代は世界中に不寛容な空気が蔓延していると言えるが、このような時代だからこそ、ECが記録してきた生物の行動様式が「多様」であることと同時に、「普遍」であることについて再考する時期が来ていると感じている。