本稿は1929-30年にフーベルト・リッターの設計でドイツのライプツィヒ市に建設されたジードルンク・ルントリンクを対象とする。このジードルンク(住宅団地)は24棟の円弧状の住棟により三重の円を形成する住棟配置に特徴があった。この住棟の配置は、起伏のある敷地形状を生かすために提案されたものであり、標高の高い地点を中心として三重の同心円が作り出されていた。設計者リッターは、この円環状の住棟において良好な居住環境が確保されることを重視し、方位との関係を考慮した住戸平面を計画したと述べている。その住戸平面の実態に