本研究では、デジタルデバイスを利用した記憶型学習における、学習者の色の嗜好性が視覚刺激の記憶に及ぼす影響の有無を明らかにすることを目的とした。
実験では、ある長さの文章を同程度の文字量の5箇所に分け、基本色相の赤、黄、緑、青、紫の5色で着色した5種類の刺激文章を用いた。被験者は、タブレット端末に呈示された刺激文章を3分間黙読し、内容を記憶するように努めた。1分間の休憩後、刺激文章の5箇所それぞれに空欄が2つずつ設けられた問題文を読み、3分以内に空欄の言葉を記憶しているだけ回答した。全ての刺激文章について回答した後、被験者に使用した5色について好きな順番を回答してもらった。
被験者20名について、好きな順位1位の色の正答率が最も高かったのは12名であった。全被験者での平均正答率は、好きな順位1位の色で53%、順位5位の色では50%で、差は僅かであった。