本研究の目的は、総合的な学習の時間に活用する生徒の「考えるための技法」の表出を見出し、表出のための教師の役割を教室談話から調査することである。そこで、東京のある中等教育学校の三年生20名のクラス、数学科関数領域の探究的な授業に着目し、授業参与を行った。そして、生徒の描くグラフ図も含めた発話にもとづく質的談話分析を行った。結論として、「考えるための技法」表出のための教師の役割は、生徒を数学理解に導く教室談話の構築と生徒をそのような教室談話に参加させることが示唆された。