東京工芸大学を会場とする 2004 年の第 30 回大会開催時には、映像表現とナショナル・アイデンティティ」を大会テーマに掲げました。19 世紀から 20 世紀における国民国家の形成と映像文化の関係に焦点を当てたものでした。
グローバル化やボーダーレス化の進む現代社会を背景に、14 年後の今大会のテーマを「越境する映像」に設定し、準備を始めようとしていたところ、元会長の松本俊夫先生の訃報が届きました。ご承知の通り、松本先生は、映像の制作、批評、教育と領域横断的に活動され、本学会にも多大なご貢献をされました。「越境する映像」のテーマの中で、松本先生の多彩な活動を振り返ることができるのではないかと考え、シンポジウムのサブ・タイトルに「松本俊夫の発見」と附することにしました。