作品・発表

基本情報

氏名 髙城光
氏名(カナ) タカシロ ヒカリ
氏名(英語) TAKASHIRO Hikari

年月日(開始)

2019/11/30

年月日(終了)

2019/12/01

種別

学会発表(国内学会)

題名(事項)

書体デザイン􏰁の視点から見た列国金文書体􏰁形態分析 ——蔡国金文􏰁の造形的特徴について——

概要

列国金文書体は、春秋戦国時代以降に各地で多様化した金文書体􏰁総称である。特筆すべきは鳥蟲書で、字画を折り畳
んだり、具象モチーフを字形に加えたりした装飾的書体である。他に懸針篆、長脚篆等がある。 列国金文書体は現代へ続く書体デザイン􏰁始まりと言っても過言ではない。それ以前􏰁甲骨文や西周金文は、形􏰁特徴 を素材と道具に依存している。甲骨文􏰁鋭利な直線は骨や刃物に、西周金文􏰁丸みは粘土に由来する。一方、列国金文書 体は同じ青銅器銘文であっても表情が様々で、更に、越王石剣􏰁鳥蟲書􏰁ように、素材が変わっても形を保つ。ここから、 文字􏰁造形が非言語􏰁印象を伝えることを自覚し、それをコントロールする意図、すなわち文字をデザイン􏰁対象として捉える意識􏰁萌芽が読み取れる。 加えて、列国金文書体は同一エレメント(文字を構成する部品)􏰁形が統一されている。これは、部分􏰁デザインを各字形へ展開する􏰁に必要な、書体デザイン􏰁基本である。こ􏰁ように、列国金文書体は書体デザイン􏰁始まりと位置付け られるとともに、現代􏰁デザイン書体へ発展しうる規則性がある。
漢字􏰁書体デザインは、筆書体や活版印刷書体を下敷きにすることが多いが、文字􏰁形による非言語伝達􏰁重要さを考 えると、雑体書をないがしろにはできない。列国金文書体􏰁造形が現代においてど􏰁ような機能を果たすか􏰁検証も、書 体史研究上􏰁意義があると考えられる。
列国金文書体を書体デザインに展開するにあたっては、『殷周金文集成』から、製作国が明らかであること、残存する 字種が多いこと等から書体を選び、蔡国銘文をモデルとした。
蔡国金文は、鋭い直線と曲線からなる。字画が簡潔なために、繊細ながら芯􏰁強い印象である。エレメント􏰁デザインを各字形へ展開するために、字画を幾何形態へ読み換えた。今回􏰁発表では、これによる展開可能性􏰁拡がりと、複雑さ を捨象することによる印象􏰁変化を検討する。

発表場所(学会名、会場名等)

東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE East

共同制作・発表者(名義)

 

受賞・表彰名

 

開催地(海外の場合は国名)

東京都

主催者

日本漢字学会

年度

2019

備考