(日本デザイン学会 第58回春季研究発表大会)中国大陸で春秋・戦国時代に用いられた書体である「鳥書(ちょうしょ)」のデザインに文字に対する当時の価値観が反映されていることを示した。当時用いられた鳥書に装飾として用いられている具象的な人物表現の中に,現在の貴州省の少数民族に伝統的に伝わる髪に関する価値観を表現したものと考えられる表現があることから,装飾書体の意匠に,地域や時代を反映した価値観が読み取れる可能性を示し,古代の書体をデザイン研究の対象とする価値を指摘した。